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執筆者の写真ミズコウアキヒコ

アルファ147 1.6L ツインスパーク 5MT 極上車

更新日:2021年12月15日


この度奇跡の一台が入庫しました。


ワタシが個人的に、ずっと手元に置いて置こうかと思って仕入れた一台です。



何が奇跡なのか?それは・・・


2001年度のインポートカーオブザイヤー&グッドデザイン賞をダブル受賞し、機能とデザインを高く評価されたアルファ147のフェーズ1にして、最廉価版である1600ccのツインスパークエンジンを搭載した一台だからです。


通常、排気量の小さい最廉価版と言うのは珍重されないモノですが(苦笑)アルファロメオに関して言えば排気量が小さいほど、そのエンジンフィールをダイレクトに味わえる逸品として、過去の事例からも高く評価を受ける立ち位置でもあります。


すでにヴィンテージカーの部類に入る、105系と言われる一連のシリーズでも、もっとも排気量の小さい1300ccが一番貴重なモデルとなっているのもその証拠です。また排気量の小さい初期型のモデルは、一様にキョトンとした顔をしており、排気量が増えるに従い、ヘッドライトの数が増えて獰猛な顔になっていくんですが、この147も初期型らしいキョトン顔をしており、そういう意味でも、この系統を踏襲しているモデルと言えます。




この秀逸なデザインは、外部のデザイナーには委託せず、アルファロメオチェントロスティーレ(デザインセンター)内で、鬼才ウォルター・デ・シルバを筆頭にした、アンドレアス・ザパナティスヴォルフガング・エッガーと言う、現代に於けるマエストロ3人による共同作業の中から生み出された、珠玉のデザインを身に纏う名車の予感を漂わせるモノ。


イタリア車全般に言える事ではありますが、まさに走る芸術品と言える意匠だと思います。



話を戻して、この個体が奇跡の一台と言える理由は、珍しいフェーズ1顔の1.6Lツインスパークの5速マニュアル車である、と言うだけではありません。


もちろん、この顔の1.6Lの5速マニュアル車は、プロのワタシでも、中古車市場で殆ど見かけた事がありません。


ですが、それだけじゃないんです・・・。


なんとまさかの、新車からワンオーナー所有で、正規ディーラーの新車点検・12か月点検・24か月点検(いわゆる車検)の全てのメンテナンス記録が残っているのです(驚)


ワタシ自身も岡山のディーラーで責任者をしておりましたが、車検を毎回受けて下さる方はいらっしゃいますが、12か月点検まで毎年マメに受けて下さる方は本当にいらっしゃいません(苦笑)


元のオーナーは、本当に大事に想って大切に維持をするつもりで、ディーラーにお任せでメンテナンスをされていたのだと思います。


加えて、入庫時の状態は、ちょっと見た事が無いほどのどノーマル状態で、新車から何一ついじってない状態での入庫でした(驚)


知り合いの業者から、自走で乗って帰るために、油脂類や水周りを見ても、オイルも新品かと思うほどキレイな状態だし、冷却水も、とてもキレイな水が規定量きっちり入っており、安心して高速も飛ばして帰る事が出来ました。


街中を通り抜け、高速に入りワタシの胸は高鳴りました。


「2LのTSもいいけど、1.6Lいいじゃん、いいよ!バランスシャフト無しだけど、スムーズに脈動して、どんどん回せるじゃん!いいよーいいっ!山に行きてー!シフトチェンジが止まらない道を走りてー!!高速から降りたら、少し山のほうへ行こう!そうしよう!!!」


その日は当分事務所へは帰りませんでした(笑)



元々、今後必ず価値が上がる希少なモデルであることは判って仕入れましたし、ワタシ個人の足として乗ることも決めていましたが、ここまで楽しいとは思いませんで・・・。


その日から夢中で、何かにつけ乗り回していたんですが、ふと悪魔の囁きが聴こえて来たんで、その声に従ってみたんです。


このモデルは、最廉価版だけあって、純正ホイルも15incで、足回りも本国使用のどノーマルのバネとショックで(日本導入モデルは大体スポルティーバ仕様でインチアップとローダウンが基本)腰高で非常にダサいんです(苦笑)


この小さいホイルと、どノーマルの足回りも、アルファロメオの走りの神髄を味わえる仕様であることは素人の方より理解はしているつもりです。


数年前まで、日本一アルファロメオの社外パーツを販売し、お客様のノーマル仕様も、いじり倒した車両も、レースカーも乗った事のあるワタシが一番理解しているはず。でも・・・


我慢できませんでした(苦笑)



そこから、1カ月以上いろいろ悩んで、ワタシなりの最適解を見つけたつもりです。


まず、腰高な見た目をなんとかする為に、様々な選択肢を検討しました。


過去にALFA75TS/155TS/156TSと乗り継いで、車高と女性は落とすモノだと認識してるワタシは、個人的にアルファに乗る時には、コニーのショックと、アイバッハのバネを好んで選んでいましたが、今回は何気に気になっていた車高調をチョイスしてみたんです。


一般ユーザーの評判と、プロのお歴々にも相談し、乗り心地を損なわず、好きな車高に出来ると言うZ.S.S Rigel製の車高調キットです。


一般的な車高調のように、異音が出やすいピロアッパーマウントではなく、強化アッパーマウントを採用しており、減衰力も柔らかい設定をチョイスすれば、ノーマルプラスアルファ程度の設定も可能、また当たり前ですが、車高も好みに合わせて変更が可能、そして何よりもありがたいのは、ショックがへたると1本あたり12000円税別でカートリッジ交換でオーバーホールが出来る事です。


長く大切に乗りたい場合、そういう後々の維持費を考える事も非常に重要です。


また、気の長い話ではありますが、足回りを交換する事で、3万キロしか走っていない、程度の良いノーマルのショックとバネを、そのままの状態で保持出来るのも重要です。


将来的にヴィンテージカーの部類になった時、ノーマル部品と言うのは査定に大きく響くモノですし、その際に新品を買うとなると、車高調どころじゃない高額な金額が掛かります。


ちなみに、現時点でも、純正ショックを4本買うとなると20万円以上します(苦笑)


なので、足回りに関しては、Z.S.Sの新品の車高調をチョイスし、リヤのアッパーマウントは純正の流用設定なので、その部分は純正形状の強化マウントを新品で入れまして、交換作業時に取り外すので、ついでに前後のスタビリンクも強化品にて同時交換をしてあります。


純正部品の保持に並んで、異音も出にくく、耐久性も上がり、乗り心地も損なわずに好みの車高に調整出来ると言う一石二鳥にも、三鳥にもなるクレバーなチョイスになったはず。


撮影時には、日常生活でそれほど気を使う事無く走れる「フェンダーとタイヤに指2本」と言うギリギリを責めており、巷の車輪止めに前から駐車しても、あごを擦らない程度に留めた大人のローダウンとなっております。


現在も日常で乗っていますが、車高調の概念を覆すほど、驚くほど快適な乗り心地に日々驚きながら、スポーティーな回頭性を楽しんでいます。


もし、ご成約の暁に、好みの車高があったり、ノーマルに戻す事も可能ですし、それを含めて最終的に4輪アライメントを取っての納車となりますので、見た目も乗り心地も、アナタ好みの一台となって、お手元に届きます。



さて、車高が下がったら余計にホイルの貧弱さが際立ち、インチアップがしたくなるのが男の性です(笑)


1600ccのツインスパークと言う、人馬一体感のある小気味良さを損なう事無く、見た目がスタイリッシュな、軽い日本製鍛造ホイルと言えば、名門ASSOのパルティーレです。


うちも何本販売したか判らないくらいたくさん売ったおススメのモデルをチョイスし、タイヤもこれ以外に選択肢は無いと思うPIRELLI POWERGY 215/45R17incを装着しました。


ちなみに、ホイルもタイヤもUSED品ですが、目立たないガリ傷程度のキレイなホイルと、新品のように溝がバッチリ残ってる2019年製のタイヤ4本なので、まだまだ使えます。



さて、ここまで来たらあとは・・・


クルマ好きのアナタならご理解いただけると思いますが、マフラー交換です(笑)


これも、上品なサウンドとトルクや馬力を損なわないと言う謳い文句で、日本一スチール製の社外マフラーを売ったワタシですので、スチール製のマフラーも考えたんですが、たまたまASSO製のマフラーが手に入り、ホイルとのマッチングもありますし、何よりうるさくない上品やサウンドと、トルクバンドの僅かな上昇はあれど、適度なパワーアップも望める全幅の信頼を寄せているブランドでもあるので、ASSO製のFORCE-Gを装着しました。


マフラーハンガーは強化品に交換し、装着をしたんですが、久しぶりにそのサウンドを聴くと、アイドリング時は思いのほか静かで上品な音ですが、回すとしっかり痺れるアルファサウンドを奏でてくれる逸品でした。


安物のステンレスマフラーは、材質としての工業規格は満たしてはいるものの、ギリギリの品質でパスしている場合が多く、走行中の雑音や、イヤな高周波を出して不快になるのはプロの間では常識ですが、お取引先でもあるASSOさんのこだわりは重々承知しており、安心して装着できる、賢い選択であったと実感しています。



ここまで仕上げて、後は売約後の整備前に気になる部位を洗い出しをします。


新車の頃から、年に一度ディーラーに入庫してメンテして来た個体ですので、基本的な性能は担保している極上の車両です。


タイミングベルトやウォーターポンプも、走行距離的には早すぎないか?と思う24500km時に正規ディーラーにて交換済みで、点検時のベルトの状態か、時間の経過による経年劣化を見越して、メカニックと相談の上で交換されたのでしょう。


言い方は悪いですが、このように正規ディーラーの言いなりにメンテされてる個体が、状態が悪かろうはずもありません(笑)


また、これも一般の方にはピンと来ないかも知れませんが、正規純正部品と言うのは、やはり信頼性が高い品質です。


ワタシは元の職場でもあり、社長が身内でもあるので、地元のディーラーと付き合いはありますが、純正部品は定価も高く、殆ど値引きもしてくれないので使いません(苦笑)


基本的には、OEM供給品や、並行輸入品の部品を使用しますが、それでも純正に準じた品質の部品しか使用していません。


ヤフオクなどで安く売られている部品の多くは、EUで正規純正部品としての品質基準を満たさない部品や、B級品として安く出回ったモノが多く安心して使えないからです。


実際に、過去に何度かヤフオクでタイミングベルト類を購入し、国産車の整備工場で交換をされ、ベアリングやテンショナーの異音、ベルトの亀裂などのトラブルで駆け込んで来られた方もいらっしゃいます。


品質の悪い部品のせいで、タイミングベルトやテンショナーがロックして、バルブを突き上げてエンジンを壊してしまいかねない事態となってしまいます。


また、アルファロメオのタイミングベルト交換は、レースカーのやり方と同じで、一台一台の現車に合わせて、専用工具を用いて、0,1mm単位の調整をしながらベルトを張り、正確で確実なバルブタイミングを導き出して行きます。


これは、アルファロメオのエンジンのレーシングカーの如きフィーリングの源となっているのですが、それを知らないメカニックが、他のメーカーの車両と同じように交換すると、バルブタイミングがずれていたり、ベルトの鳴きが出たり、本調子ではないエンジンフィールになりせっかくのツインスパークエンジンが台無しになります。


また、交換する時に、各部のオイル漏れなどの対策も、他のメーカーでは考えられない事象が多々あり(苦笑)エンジン各部のオイルパッキン等の同時交換や、液体パッキンでの補強など、専門店じゃないと出来ない仕事がたくさんあります。


その点を踏まえても、新車からずっと年に一度の点検整備を欠かさなかったこの個体は稀に見る極上なコンディショの奇跡の一台と言えるでしょう。


入庫してからざっくりと点検しても、見事に悪い部位はありませんでしたが、ミッションの入るフィーリングが、少し渋いかな?と感じましたので、履歴を見てみると、過去にミッションオイルは交換した形跡がありません。


トランスミッションと言うのは、密閉空間で燃焼もしませんし、それほど熱も持ちませんので意外と正規ディーラーでも定期交換の推奨はしないのかも知れません。


しかし、その役割は重要で、ギヤ同士の摩擦や、うっかりガリっと言わせた際に、ギヤ自体の破損を避ける為の性能を持っています。


なので念の為に、完全に元のオイルを抜いて、当方がスペシャルショップをしているNUTEC社の高性能MTオイルZZ-31に交換し、シフトフィーリング向上と、今後のトラブル予防の為に裏ワザとしてNC-81Plusを添加してあります。


元々、走行距離の少なさからの入りの渋さだと思うんですが、気持ちよくスムーズに、尚且つ剛性感のあるシフトフィーリングになりました。


これでまた、乗り回す理由が増えてしまいました・・・(苦笑)



しかし、ただ乗り回してるのではありません(笑)納車点検整備はもう始まっています。


走行距離が少なく、定期メンテを欠かさなかった極上車とは言え、様々な部位に溜まるモノがたくさんあります。


それらをしっかり除去する為に、またNUTECのテクノロジーを使います。


まず、燃料系統のスラッジ等の除去の為に、ガソリンに添加するNC-220を数回入れます。


また、エンジン内部のオイル経路のスラッジを取り除く為のNC-910をオイルに入れて、エンジンを動かしながら洗浄をしていきます。


これらを実働させながら施して、成約後の納車点検では燃焼室のカーボンを除去して、圧縮復活剤を添加し新車以上の圧縮を実現します。


これらの事前作業と納車時の施工にて、同じクルマに乗ってる人がエンジンを回せば明らかに判るほど調子が良く、力強いエンジンフィールを実現するのです。



通常、中古車の仕上げや点検整備に、高い添加剤や油脂類は使いませんが、当社は普通の中古車屋ではありません(笑)


好きなクルマしか仕入れませんし、自信のある車種しか扱いません。


常に自分が乗るのであれば、ここまでしないとイヤだと言う、決して妥協しない仕上げと、納車点検整備は、業界でも唯一無二の存在だと思います。


この車両に関しては、アルファ147の持病でもある内装のヤレもそれほど目立ちません。


一番有名なドアノブやスイッチ類のべたつきも殆どありませんが、これは元のオーナーがご自身でマメにキレイにされていたのかな?と。また天井の内張は垂れてますので、納車時にキレイに張り替えてお納めします。レザー内装の車両ではみっともなく剥がれて来るドアの内張も僅かな浮きがある程度(画像ご参照下さい)なのでこれはそのままで。


内装に関しては、禁煙車で動物のニオイなども皆無、運転席以外は乗った形跡もないくらいキレイな状態を保っています。


確かに高級なレザーシートはカッコいいですけど、冬は冷たくて、夏は火傷するくらい熱くなり、擦れて来るととても汚く見えますので、長く乗るなら手入れも簡単な布のモケットシートも案外扱いやすくいいのかも知れません。


また最廉価版だけあり、装備も最小限ですが、イタ車乗りであれば判る「壊れる要素が少ない」と言うポジティブなことでもあります(笑)


純正装備の電装品は壊れると厄介なモノですので、オーディオやNAVIなどは最新の日本製をご自身で取り付けたほうが安心です(苦笑)点検整備の際に追加でもお請けしますのでお好みの装備などもご相談くださいね。


ちなみにワタシは、FMトランスミッターを使い、iPhoneで音楽を流し、NAVIもアプリのモノを使用しています。

NET経由のNAVI情報のほうが、案外最新だったりしますので重宝しています。





さて、最後は外装ですが、たくさん掲載している画像ではキレイに見えると思います。


実物を見ても、じっくり見ないと判りませんが、メタリックの入ってないソリッドの黒なので小さい傷がとても気になるのです(涙)


商品車の仕上げの作業時に、小傷の補修塗りや、色褪せやクリア剥げの補修一式の板金塗装の見積もりをしたんですが軽く20万を超えて行きます・・・(苦笑)


しかも、あくまで補修塗りなので色合わせや今後の日焼け等での色違いが目立つのは明白。


専門的な話になりますが、アルファロメオの純正塗料のメーカーの色合わせはとても難しく後々の事を考えると、部分補修塗装の倍以上は掛かりますけど、一気に全塗装をしようと考えています。


この素性とコンディションの極上車ですから、乗り始めにキレイな状態が気持ちいいですし、長く乗る間に傷などが付いた場合扱いやすい国産の塗料で塗装しておいたほうが後々コストも掛からないし、気持ちよく乗れるはずですので。


また、その辺りはご相談の上で決めて行きましょう。


下記に撮影をした画像を掲載しておきますので(クリックで拡大します)ぜひ心ゆくまでご堪能ください。


アナタの手元に来た時には、また新しい景色を一緒に観てくださいね。







2004年式ALFA 147 1.6L TS 5MT 車両本体価格:1,380,000-

車検:令和3年4月27日 走行距離:33000km (乗ってますので多少変わります) +上記の車両本体価格は、内外装及び機関整備仕上げ済みでのお値段ですので、例えば塗装は現車を観て自分で判断し知り合いに安くしてもらうとか、車検は、後で実費でされるとか、そこまでしなくても良い場合にはお話し合いの上でお値引きしますのでご相談くださいね。


+また業者様でも、まだしてない作業を自社でされるなら業販は可能ですご相談下さい。

+納車点検の際にバッテリー等の消耗部品をはじめ、エアフィルターやACフィルター等も純正相当品で交換予定ですが、社外品などに換装希望の場合はお申し出下さい。


+O2センサー全数・エアマスセンサー・水温センサーはOEM供給のBOSCH製で交換予定。


+またオーディオやNAVIやドライブレコーダー等の取り付けもお申し付けください。


その他ブログに車両の状態などと併せて追記します。このモデルに関するインプレッションを集めてみました。ご参考までに。


+ツインスパークエンジンとは?




+アルファ147 1.6L TS インプレッション










車両本体価格以外に必要な経費


各種諸費用と、消費税・自動車税の月割り分・自賠責保険料の月割り分・リサイクル費用・陸送費用(ご希望であれば)車庫証明費用(ご自身ないしは地元の行政書士に依頼するほうがお得です)名義変更費用(ご希望であれば)など、ご希望の内容により変わりますので、気になる方はお早めにお問い合わせくださいね。


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