売約となりました!ありがとうございます!!
工場のリフトに載ったまま、バラバラになっていた車両が、フェンダーやタイヤを装着し、動かせるようになったとの連絡で、洗車しに行き、商品撮影を敢行しました。
実は、この車両は、この姿のままで14年間もそのまま放置しておりました(爆)
この整備工場の主は、ワタシがFIAT ALFAROMEOディーラーの責任者をしていた時に、従兄弟の同級生であった日産ディーラーのメカニックを引き抜いて、工場長になって貰った男で、元部下なのです。
ディーラーのメカニックは、新車を買ってくれたお客様の車両しか整備した事の無い人が多く、知識や経験やノウハウ不足なメカニックが多い中、彼はワタシの従兄弟と共に、古いスカイラインや、フェアレディZなどのレストアをしていたので、旧車にも造詣の深い男なんです。
なので、独立して工場を始めると言うので、早速商品車の仕上げをお願いした次第です。
その男が、先日電話をして来て言うんです。
「工場は畳むことにしたから、あの2CVどうしようか?」と。
なんと、整備士の仕事に疲れたと言う理由で、ワタシの従兄弟の経営するIT関連の会社に就職すると言うのです(驚)
なので、早急になんとかしないと!と言う事になり、急いで売るから撮影出来る程度まで組み上げて欲しいとお願いし、それが完成したワケです(苦笑)
でね、SNS等で入庫の予定として告知する為に画像を探したんですが、上記の入庫当初の日付を観てビビりました。
撮影日時は2007年の4月になってた(驚愕)
そう、この日から14年間も商品化されず、ワタシの「急がんでええよ」に甘えて放置してたと言う顛末(爆)
ワタシ自身も、何度もこの工場は行ってるのに、このリフト上の2CVの事を忘れていて、お互いに「なんでかな?」と爆笑しあいました(笑)
しかし、逆に雨露を凌げる工場内で、リフトに上がったままなので、ボディやシャーシに錆びも、痛みも発生していない↓のが不幸中の幸いです。
過去に販売や、メンテナンスで観て来た数十台の2CVの中でも、抜きん出て痛みの少ない程度の良い個体と言っても、差し支えないと思います。
それもそのはず、改めて商品化にあたり、クルマの履歴を調べてみると、驚きの事実が判明をしたんです!?!?
まず、元々のオーナーが昭和51年(1975年)に新車並行輸入車を購入され、屋根付き車庫に保管しながら使用し、昭和63年の10月に車検切れをし、そのまま車庫保管。
そして、次のオーナーは件の記事にも書きましたが、岡山では有名なカーマニアである喫茶店のオーナーが、平成元年の10月に入手して、抹消の状態のまま、趣味のヴィンテージカーを飾る私立博物館として建てた、ご自身のガレージ倉庫に室内保管をしていました。
そう、この個体は平成をがっつりワープして、一度も外に出ていないんです(驚)
だから、大きな錆びも痛みも無いワケです(笑)
ただ、ワタシは商品車の室内外や機関が「ボロい」のは許せないタチなので、気になる前後バンパーやボディパネルやホイル4本は一応リフトに上がる前に補修してあります。
そして、この後に長い長い沈黙の時を、これまた室内保管で過ごします(笑)
14年間のホコリを払い、水洗いで洗車した姿がコチラです。
あの時、大きな傷や凹みは直しましたけど、小さい傷の補修跡や、僅かな凹みこそあれ、やはり入庫時のまま、全体的にはキレイな状態のままでした。
フロントバンパーの黒い傷のような跡は、整備中に傷が付かないように養生の為に貼った黒いガムテープの跡で、剥がし切れなかっただけで、納車時には錆び一つないキレイな状態。
また、リヤバンパーはセンター部分の黒いステッカーを貼っていないだけで、お好みで元の真ん中が黒い状態↓になるテープを貼ることも可能です。
あまりに昔の話で、何をどう整備してとお願いした内容さえ記憶が薄いんですが、はっきりと覚えているのは、移動は自走でしたものの、あまりに調子が悪いので、調べて欲しいとの事で点検してみると、ガソリン自体が腐っていたのと同時に、チャールストン以前の古い年式や、イギリス生産車で散見される鉄製のガソリンタンク内部が錆びだらけ(恐)
なので、新しい年式のプラスチック製のタンクに換装して、燃料系の整備をしようと思ってパーツを集めておりました。
燃料のレベルセンサーや、機械式の新品ポンプに加えて、電磁式の新品ポンプも装着し、点火系もかの有名な123イグニッションにして、メンテナンスフリー化の予定。
燃料のラインも劣化部分は新品交換し、徹底的に洗浄し、錆びを取り除きます。
また同時に、エンジン内部のオイルラインや(空冷エンジンなので特に重要)ピストン等に付着しているスラッジやカーボンを一掃します。
これらの作業は、このNUTECパワーアッププログラムの一環で、新品のプラグや、ハイテンションプラグコードの装着で、燃料系統とオイル系統のリフレッシュ&点火系統のチューンナップと、圧縮復活作業と123イグニッション化で、他の2CVとは一線を画するエンジンの調子と音、もちろん抜群の走りにする事をお約束します。
エンジンオイルはコチラを使用して、性能と漏れ止め予防で安心を確保。
とかく、2CVにはこのオイルを!とうるさく言う輩もいますが、NUTEC製品はレベルの違う次元の性能なので、安心してくださいね。
こんなに高い油脂類を、納車点検に使う店は他に無いと思いますが、買ったクルマがボロいと言われるのは死ぬほどイヤなので、同業者に頭がおかしいと思われようと、専門店としての矜持を持って仕上げて行きます。
さて、まだこの状態でエンジンが掛かるところまでは辿り着けないんですが(苦笑)みんなが手伝ってくれて、手押しで動かして撮影をしたんですが、驚異の低走行で、程度の良い個体ではありますが、それがゆえに、各部の痛みもたくさんあります。
走行が少ない事は、素人の人は喜ぶんですが、動かしてない事の弊害は実は大きくて、そこをリフレッシュするのは、そこそこ走行距離を走り、オーナーが手を入れながら維持している車両の方が、遥かに整備にお金は掛かりません(苦笑)
やはりクルマと言うのは、動かしているほうが調子も良いものです。
なので、上記の燃料系、エンジンオイル系、圧縮復活作業だけでは、当店自慢の、どこの店で買うより調子が良く、安心して乗れる状態にはほど遠いのです・・・。
エンジンやミッションからのオイル漏れ修理や、キャブの清掃ないしはオーバーホール等々、動かしてないから悪くなってる部分もしらみつぶしに整備します。
充電をするオルタネーターや、点火系のIGコイル、ブレーキ系統は、イギリス仕様のブレーキフルード使用ですが(多くの2CVは専用のLHM仕様)ブレーキパイプやマスターシリンダーなども、丁寧に点検して、場合によっては新品交換ないしはオーバーホールとなるはず。
エンジンルームも埃だらけで、スチーム洗浄しないと何とも言えませんが、年式だけに配線類も引き直す事になるでしょう。
もちろん、消耗品である、各種フィルター類や、バッテリー(規格に適合し一番電圧の高いBOSCHないしはパナソニック製新品)ワイパーブレードなども新品交換予定。
グリルは現在、下記リンク先のメッキタイプを用意してますが、ご希望により元々のタイプにしてのお渡しも可能ですので、色々悩んで下さい(笑)
http://montecarlo.cart.fc2.com/ca38/232/p-r38-s/ メッキタイプグリルカバー
http://montecarlo.cart.fc2.com/?ca=38 その他のタイプ一覧
ボンネットの裏の断熱材や、ダクトホース等もボロボロなので(涙)全て新品交換です。
幸い、当店の仕入れ先でもある、西のダックトレーディングさん、東のモンテカルロさんが、非常に優秀な部品商&ノウハウコレクターのおかげで、部品には困りませんし、2CV独特のノウハウもある。
最近では、ずっと絶版だった、ミシュランのクラシックカー専用タイヤも再販されましたので、タイヤ4本も新品交換となります。
驚くほど高いので、4本新品にすると10万円近く掛かりますが、妥協はいたしません!
また当店もクルマ1台丸ごとの部品取り車を所有していますので、どこよりも状態の良い車両に仕上げての納車となります。
そして、驚異の走行距離22539miと、市場に出回ってる個体でも本当に珍しい。
良いか悪いかは別にして、珍しいのは確かですが、履歴を訊くと不思議ではない(笑)
1975年に新車を買うくらいのマニアの趣味車であり、次のオーナーは観賞用なので、この個体の状態と走行距離は、このお二人のおかげだと言えます。
昭和で止まったままの、ステッカー類も珍しいので、そのままにしてます。
まあ、フロントガラスの車検証と点検ステッカーは剥がさないといけませんが(苦笑)そこから一切外に出て動かしてない証拠として撮影してます(笑)
そして、炎天下で洗車したので、暑くて頭がぼ~っとしてまして、室内のブラウンのビニールレザーのシートと、幌を開けての撮影を失念しておりました(苦笑)
シートは高級感のあるチョコレート色のビニールレザーで、右側の運転席に少し縫い目に沿った亀裂(補修予定)がある以外はキレイな状態で、クッションもぜんぜん経たっていません。
また幌は黒いビニールレザーで、亀裂などはありません。
内外装は、新車並みとは言いませんが、リヤナンバー灯のベース部分の僅かな錆び以外は(画像ご参照下さい)問題無くキレイな状態なので、掃除以外に手は入れない予定です。
2CVは、少しヤレた感じもステキなので、気になる場合には、実費にて補修します。
この修理工場は撤退しますが、折半で同居しているディテーリング会社は(ポリマー加工等の)そのままこの工場に残り、これまた元部下でもあるので、好意で売れるまで室内で保管してくれるので、ぜひ気になる方はお早めに現車を観にいらしてくださいね。
機関整備は、ご成約後に着手しますので、今は試乗出来ませんが、時間とお金と手間を惜しまず、必ず良い状態にまで仕上げます。
また、こういう類のクルマは、専門店で買うのが安心と言いますが、ワタシに言わせればそれはとても危険な考え方です。
イタリア車でも、フランス車でも、数多く専門店がありますが、たくさん扱ってるから、そればかり売ってるから「安心か」と言うとそうでもありません(苦笑)
当方に、よそで買った車両を整備やメンテナンスでお預かりする機会が多くありますが、有名店・専門店だからと言って、キチンと整備してるとは限りません(苦笑)
もうね、名指しで言ってやりたいくらい、酷いお店はたくさんありますからね・・・。
同じ業界の人間として、こんなお粗末な仕事で儲けたくはないって、情けない気持ちになることもたくさんあるんです(苦笑)
前の記事にもありますが、価格は非常に高騰しており、そんな中で最安値くらいで販売出来たらと考えていましたが、元オーナー様の遺品の現金化を任されてる立場上、売れたらそれなりの金額をお支払いするお約束を守りつつ、低走行であるがゆえの、新品の部品交換やオーバーホールの必要性や部品代や整備費用、その他の仕上げの費用を鑑みて、最安値はムリにしても、元の個体のコンディションの良さと、仕上げに掛ける手間とお金を考えると市場で最高&最強のコスパと言える一台であると自負出来ます。
撮影時の全画像をギャラリーにしておきますので、クリックで拡大してお楽しみください。